2011年12月21日水曜日

受身論文

中国語と日本語の受動文の構造について : 語彙的受動文と統語的受動文
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/87970
日本語における直接受け身文と間接受け身文の統一的説明
http://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/handle/10132/2913
行為連鎖の観点から見た中国語の“被”構文 (特集 受動表現)
http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/62295
日本語と中国語の受動表現の比較―感情移入(心理的態度)の表現方法比較―
http://ir.iwate-u.ac.jp/dspace/handle/10140/4167
類型特徴から見た中国語の受動文
http://scholar.googleusercontent.com/scholar?q=cache:3X3c8F4SHkgJ:scholar.google.com/&hl=zh-CN&as_sdt=0
由平衡語料庫和中介語語料看漢語被字句表述的文化意蘊
http://scholar.googleusercontent.com/scholar?q=cache:3X3c8F4SHkgJ:scholar.google.com/&hl=zh-CN&as_sdt=0
迷惑受け身のプロトタイプ
http://eprints2008.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/45617/1/BISC005_002.pdf
中国語母語話者の日本語受身文の使用実態とその背景 :
母語との対照からの仮説設定
http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/bitstream/10083/50165/1/18_216-228.pdf
日中受動文の対照研究――『新編日語』における文法説明への提案――
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/3508/1/34024.pdf

2011年12月20日火曜日

ステレオタイプ

日本語教育能力検定試験に合格するための異文化理解
 集団に対すして抱く固定的な先入感、過度に単純化されたイメージなどをステレオタイプと呼ぶ。
 自分の属する文化の価値基準だけを基にしてほかの分化のさまざまな事象を価値判断するのが、自文化中心主義である。
 文化は背景や歴史の異なるそれぞれの社会が生み出すもので、文化間には優劣はないと考えるのが、文化相対主義である。
 人はもともと、自文化中心主義で、異文化に接触することが多くなればなるほど、文化相対主義に移行するといわれている。
 異文化に接したときに感じる心理的な混乱がカルチャーションである。外国に行って感じるカルチャーションの原因は、風習、コミュニケーションの問題、人間関係、価値観の違い、社会制度、慣れていた環境からの隔離、自文化に戻った将来えの不安、などに分類される。

2011年12月18日日曜日

授業全般

日本語教育能力検定試験に合格するための記述問題
1:教える前
(1)学習目標
学生がどんな目的をもって日本語を勉強するのか、それによってコースを選ぶ。
(2)コースデザイン
何ができるようにするか
何を教えるか(シラバスを選ぶ)
どうやって教えるか(教授法、教材を選ぶ)
(3)教授法と教材
主教材候補から最終的に一冊を決める。ほかに、絵教材、小道具、カードなども不可欠。
2:教える時
(1)雰囲気を大切に
明るく元気よく、温かく親しみをこめた笑顔であいさつする、共通の興味を引くような話題を準備するとか。
(2)学習者とのキャッチボール 
教えようと思うのではなく、ガイドする、ナビゲーターになるというスタンスで学習者をサポートしようと思うほうがいい
(3)学習者中心の授業と新しい教師像 
知識だけではなく、観察力、判断力、分析力、問題解決能力が求められる
(4)誤用への対応 
直接的な訂正より、学習者自身の気づきを大切にする
3:教えた後
(1)評価
学習者の習得状況を把握し、はじめの目標がどこまで達成されたかを測り、今後の教育活動をよりよいものにするため、評価を行う。
(2)良いテスト
テスト作成上の留意点:
何を測るためかという目的が明確に見えること
妥当性が高いこと
問題の指示がわかりやすいこと
問題に難易度のグレードを付けること

2011年12月14日水曜日

読むのストラテジー

日本語教育能力検定試験に合格するための記述式問題
 ストラテジーとは、一般に、コミュニケーション能力が十分でないときに、それをカバーしてコミュニケーションをうまく進めるために使う「戦略」のことだ。
 読解の授業では、具体的には、次のようなストラテジーがある。
 1:タイトルや見出しからトピックを推測する。
 2:全体からキーワードを拾って、トピックを推測する。
 3:状況を推測し、察知する。
 4:文章のキ-センテンスを見つけ、内容の最重要点や筆者の主張をつかむ。
 5:段落などのまとまりごとに大意をつかみ要約する。
 6:一つの段落の全体との関係、前後の段落との関係を考える。
 7:比較的など対立する要素を分けて整理する。
 8:比喩をとらえ、その意味するところを理解する。
 9:文章の流れから、先を予測する。
 10:語句や文の意味を推測する。

2011年12月13日火曜日

ストラテジーの養成

日本語教育能力検定試験に合格するための記述式問題
教室で「聞く」活動をする時の第一の目的は、必要に合わせた聞き方の技能、すなわちストラテジーをきたえる練習だ。
1:場面、状況、ポイント、大意をとらえるストラテジー:キーワードを見つけてトピックを捕らえる、細かいところにこだわらずに大きく場面をつかむ、全体的な状況を把握する。
2:求められている特定の情報を取り出すストラテジー:自分に必要な情報だけを取り出す
3:流れ、手順などを把握するストラテジー:説明や指示を聞いて、行われることの流れや、するべきことの順番をきちんととらえる。

2011年12月11日日曜日

ALMとCLTの対照

日本語教育能力試験に合格するための教授法

ATM(Audio-Lingual Method)行動主義心理学と構造主義言語学を理論的基礎に置いた、会話能力育成を重視した教授法である。
 CLT(Communicative Language Teaching)は、実際のコミュニケーションに使える言語運用能力を養うことを目的とした教授法である。


ALM
CLT




何に基づき
言語観
構造主義言語学
単文単位
話し言葉重視
文脈不問
対象言語学の分析
機能主義言語学
談話単位
話し言葉も書き言葉も重視
文脈重視
中間言語分析

言語学習観
刺激―反応
習慣形成
構造の学習

Learning by doing
Language for use
コミュニケーションの学習

言語教育観
教師ロール中心
学習者ロール中心

何を
シラバス
構文シラバス
基本文型から派生文型へ
易しい文型から難しい文型へ
ノーショナルシラバス
ファンクショナルシラバス
項目間の順序は多様

どのように
教室活動
Mimicry&Memorization
Pattern Practice
Controlled Conversation
口頭練習重視
誤りの訂正を重視
誤りは母語の影響
形の正確さ重視

インフォメーションギャップ
チョイス、フィードバック
問題解決型活動
談話練習
誤りの訂正は重視しない
誤りは言語習得の過程的現象
流暢さ重視



2011年12月10日土曜日

ニーズ、デザイン

日本語教育能力検定試験に合格するための教授法
日本語教育におけるニーズとは、学習者に必要な日本語のことを言い、ニーズ分析とは、学習者に必要な日本語を明らかにするプロセスを言う。ニーズ分析は以下の四つの調査に基づいて行われる。
 1:ニーズ調査:学習目的や学習者が日本語を必要とする場面、および、そこで必要となる言語技能についての情報を得るための調査。アンケート法とインタビュー法二つの方法がある。
 2:レディネス調査:ここでは学習者の日本語能力を知るための調査。既習者を対象とし、筆記テストやインタビューが用いられる。
 3:言語学習適性調査:学習者が言語学習について持っている能力についての調査。未習者を対象とし、言語学習適性テストが用いられる。
 4:学習条件調査:学習者個人に関する、日本語学習に関わるさまざまな条件についての調査。背景情報、内的な要因、外的な要因を得ることができる。

シラバスデザイン
シラバスとは、学習細目一覧表ともいい、学習すべき項目のリストのことをいう。シラバスを作成する作業を、シラバスデザインという。具体的な作業を次のように行う。
1:原型シラバス:何かの基準に従って言語資料を分析することで、その基準の数のリスト総体という
2:コースシラバス:参考書によって、「コースで教える項目が教える順序で並んでいるリストという意味である。
3:構造シラバス:教える項目を文法の観点から分類し、並べたものを指すこと。
4:機能シラバス:文や語の「形」に注目して構成されるのに対して、文全体が持つ「機能」や「意味」で分類、構成されたものということ。
5:場面シラバス:目標言語が用いられる場所や状況で分類したものである。
6:タスクシラバス:言語を使ってなされる行動によって分類したシラバスということで、また課題シラバスという。
7:スキルシラバス:マイクロスキルによって分類されたシラバスで、または技能シラバスという。
8:トピックシラバス:話題によって分類された。
9:折衷シラバス:以上のシラバスを組み合わせたものを指すこと。または複合シラバスという。

2011年12月8日木曜日

中国語の母語話者による日本語受動文関係の誤用

日本語教育のための誤用分析
中国語と日本語の違いによって、誤用されることがときとき起こる。
(1)名詞ランキングによる受動文のねじれ
 日本語における一人称代名詞>人間名詞>無生物名詞という名詞ランキングが中国語には基本的に存在しないことから。
例:崭新的自行车被田中弄脏了。
       *新しい自転車が田中さんに汚された。
  正:田中さんが新しい自転車を汚れた。
(2)持ち主+持ち物が主語になる受動文の濫用
 中国語では「持ち主+持ち物」が主語になる受動文と「持ち主」だけが受動文の主語になり「持ち物」が目的語として残る受動文ガ同等に使われていることから。
例:田中的钱包被小偷偷走了。
        *田中さんの財布はすりにすられた
  正:田中さんは財布をすりにすられた。
(3)間接目的語ー主語型受動文の「回避」
   中国には基本的にこのような受動文のパターンが存在しないから
例:至今没有男人向我求过婚。
      *私、男がプロポーズしてきた経験、今まで一度もないわ。
     正:私、男からプロポーズされた経験、今まで一度もないわ。

2011年12月6日火曜日

擬声語擬態語の有縁性と形態上の特徴

日本語教育能力検定試験に合格するための語彙
擬声語擬態語の有縁性
母音:
iの音:速度が速い
a,oの音:速度が遅い
eの音:品のよくない形容  デレデレ
子音:
k,t:堅いこと カチカチ
m:やわらかい感じ
s:摩擦感 ゴシゴシ
p:抵抗感がない、俗語的 パラパラ
h:抵抗感がない、文章語的で品がいい ハラハラ
r:滑らかなことや流動を表す タラタラ

濁音:
gzdb大きいもの、重いもの、鈍いもの、汚いもの     ゴロゴロ
清音:
小さいもの、軽いもの、鋭いもの、美しいも コロコロ
拗音
直音と比べ俗語的で品に欠ける ジャンジャン

形態上の特徴 
(1)語根:一拍、あるいは二拍のもの
     ツ、プイ、カラ、ドシ
(2)音をつめる:瞬間性、すばやさ、一回性などを表す
   コローコロッ、ペターペタッ
(3)音をはねる:音の響きのよさや強さ、軽やかさを強調する
   コローコロン クルークルン
(4)長音化する:動作、状態が長いこと、続いていることなどを表す
   ドンードーン フワーフワー
(5)「り」を付ける:柔らかさ、滑らかさ、ゆっくりした感じを表す
   コローコロリ ノソーノソリ
(6)反復:一回だけでなく何度か繰り返すことを表す
   コローコロコロ ピョンーピョンピョン
(7)音の一部交替:「a」と「o」の交替が多い
   ガサガサーガサゴソ ガタンガタンーガタンゴトン

2011年11月30日水曜日

物理的な遠近感覚

                                   日本語教育能力検定試験に合格するための言語学
動的で物理的な遠近感覚
ダイクシス
言葉はは発話現場を基準として、発話現場によって内容が変わるという性質を持っている。との性質は直示性とかダイクシスとか呼ばれる。その性質が強い言語表現は直示表現と呼ばれることもある。直示表現として使われるという用法が直示用法である。
典型的な直示表現はコソア系指示詞である。話し手の領域を表すのは「コ系」で、聞き手の領域を「ソ系」で、話者以外の領域を「ア系」で表す。指示詞の使い分けは物理的動的な遠近感覚によるわけである。
直示表現は直示詞ばかりではない。「私」、「あなた」、「彼」も、発話現場(だれが話し手か、だれが聞き手か、だれが話してでも聞き手でもないか)によって内容が変わるので、これも一種の直示表現である。
また時間を表す直示表現もよく見られる。「今日」は発話の当日を指し、「昨日」は発話の前日を指すものである。11日に「今日」と言えば11日のことで、「昨日」は1231日のことになる。101日に「今日」と言えば101日のことで、「昨日」は931日のことになる。いつ喋るか(発話現場)によって、直示表現「今日」「昨日」の内容は変わってきる。
例:あの規制は既に1997年に廃止されている。
 ?あの規制は既に2年前に廃止されている。
 (「2年前」という言葉は、何らかの基準から2年さかのぼった年か)

静的で物理的な遠近感覚
「行く」と「来る」
まずは縄張りの話をする。犬が電柱にマーキングするのは、自分の縄張りを示すことである。個体空間(自分自身を中心として、他者がこれ以上自分の近くに来ると気持ち悪い。自分が一生この空間から出ない)と違って、私たちが縄張りから脱出することができる。具体的に言えば、縄張りは私たちの住居や仕事場といった安定した場所を中心に広がっている。
動詞「行く」と「くる」は、何らかの離れると近づく行動を表す。ここには、動的な遠近感覚と、静的な遠近感覚の両方に関わっている。私はどこにいようと、私の個体空間に向かっての彼の接近行動は「彼が私のところにくる」と表現できる。これは動的な遠近感覚。自分のところに何らかの接近行動ではなく、自分が行ったこともなく、見たこともない所有する縄張りへ何らかの接近動作は「来る」で表す。ここの「くる」は静的な遠近感覚。

エンパシー

                                  日本語教育能力検定試験に合格するための言語学
エンパシー
心理的静的な遠近感覚は、エンパシーというものに関わっている。エンパシーは共感度と訳されることもある。日常生活であることに共感を持つの共感と違い、身内度と言ったほうが近い。日本語は「身内かどうか」という基準で言葉を使いわけるわけである。この基準を「エンパシー」と呼ぶ。
ヴォイスとエンパシーによって、次の表になる

      エンパシー
ヴォイス
Aが身内
Bが身内
Aが前景
ABに本を

さしあげる
あげる
やる
くださる
くれる
くれる
Bが前景
BAに本を

いただく
もらう
もらう

本によっては、「あげる」、「くれる」などの使いわけだけではなく、どちらかが前景の問題も含めている。「エンパシー」と「ヴォイス」を分けて考えておいた方がいいと思う。
例:田中さんが弟に本をくれた。
  (私にとって、弟が田中より身内の存在である)
  弟が私に本をくれた。
  (私自身が一番エンパシーが高い)
血縁関係だけではなく、地域、民族、国家によって心理的な遠近感覚も生じる。日本人にとって、同じ日本人は近い、外国人は遠く位置を付けられる。
また、動詞のテ形につく補助動詞「あげる」、「もらう」などの利益の授受表現を実に多用している。
例:私が「わからない」と言うと、その人は私を車で連れていってくれた。
  (その人が私に利益を与える)
  では、「月の砂漠」を歌わせていただきます
  (皆さんが私を歌わせる。そのような力を与えくたさるのは、私にとってありがたいことである。皆さんが私を歌わせることで私は利益をいただく)

2011年11月29日火曜日

アニマシーとヴォイス

                    日本語教育能力検定試験に合格するための言語学
 アニマシー
アニマシー(有生性)とは、生きている程度ということである。人間に近いものの方はアニマシーが高い。日本語の存在表現もその一つである。アニマシー高い(つまり生きている感じがすごくする)ものの存在は「いる」で表し、アニマシー低いものの存在は「ある」で表す。
例:怪しい気配に振り返ると、人を襲うお化けの木が、いつのまにか、そこに(いました・ありました)
「いました」にする場合、木は根っこのところが人間の足のようになって、地面から抜けて走れるというイメージである。動物に近い、アニマシーが高い。
「ありました」を選ぶ理由は、木が動けなくて、幹に恐ろしい顔をつけているというイメージである。植物で、アニマシーが低い。
ヴォイス(態)
心理的で動的な遠近感覚は、ヴォイスに関わっている。心理的な遠近感覚というのは、人間が心で感じる遠近感覚で、ある人に対する親近感を感じるかとか、疎ましく感じるとか、いった親疎の感覚は、その代表例である。動的とは、その場面や状況によって早く変わるということである。
「ジェリーがドムをやっつけた」という文では、中心部位のジェリーが主役で、ドムが脇役である。主役のとこを一般に前景、あるいは、図という。脇役のことを背景、地という。「ドムがジェリーにやっつけられた」では、もともと背景のドムが今度前景になる。こういう具合にデキゴトの前景ー背景に応じて言語表現が変わるパタンーのことをヴォイスという。代表的なヴォイスとしては、能動ヴォイス、受動ヴォイス、使役ヴォイスがある。
能動態とは、話し手が力の与える手に注目してこれを前景にするというヴォイスのことである。普通、話し手が力の与える手に注意するわけだから、能動態は無標である。「無標」は、普通であればわざわざ標識を付ける必要がないことである。逆に、特殊だ、変わっている、普通じゃないことを「有標」と言う。受動態は特殊ヴォイスで、有標である。
受動文は三種類ある。所有関係によってできる受動文を所有受動文、あるいは持ち主の受動文などと呼ぶことがある。
例:一郎は泥棒に車を盗まれた(一郎は車の持ち主、所有関係)
  一郎が田中さんに子供を褒められた(一郎の子供、所有関係)
また、所有関係が特にない場合でも、第三者が強い被害感を持てば因果関係が形成され受動文を被害受動文、あるいは、迷惑受動文などと呼ぶ。
例:夜中に子供に泣かれて眠れない
  雨に降られて風を引いた
所有受動文や被害受動文と区別して、普通の受動文をまともの受動文
例:トムがジェリーに殴られた
  犬が強盗に殺された

2011年11月14日月曜日

複合語

未完成

複合語は、二つ以上語基から組み合わせて単語である。複合語の品詞は大部分後の構成要素品詞によって決める。構成要素を整理すると、名詞類、動詞類、形容詞類、形容動詞類この4種類になる。
 複合名詞
 1:名詞+名詞
 「1」:統語的な関係にあるもの
 (1):AがBの一部である場合
     父親、飾りもの
 (2):AとBの指す範囲が異なる場合
     歌姫、花吹雪
 (3):AがBの主体である場合 Aがすること
     学力低下、企業合併
 (4):AがBの対象である場合 Aをすること
     教育改革、環境破壊
 (5):AがBをするための道具、手段である場合 Aですること
     電話連絡、電子取引
 (6):AがBの材料である場合 Aでできている
     紙袋、金つぢ
 (7):AがBの原因、理由である場合 Aが原因ですること
     事故死、ガス中毒
 (8):AがBの場所を表している場合 Aにある
     裏門、山道
 (9):AがBの時間を表している場合 Aの時期に~する
     朝ごはん、新年会
 (10):AがBの性質をもつ場合  Aの性質を持つ
     親心、猿芝居
  2:並列的な関係にあるもの
 (1):AがB類義成分のもの
    手足、衣服
 (2):AとBが対義成分のもの
    親子、天地

 
 

2011年11月13日日曜日

格とは、主に名詞相当語句が係り先である文中の支配要素とのあいだで取り結ぶ統合的な関係のことを言う。述語にたいする表層格には、ガ格、ヲ格、ニ格、へ格、から格、ト格、デ格、ヨリ格、マデ格がある。名詞にたいするものはノ格である。
連体修飾主語を表すガとノ
主語を提示するの場合、ガとノガ用いられる。でも、ノの使用にくい場合はいくつある
1:「外の関係」、被修飾名詞の内容を説明する連体修飾節の場合
2:連体修飾節内の主語と述語とのあいだに他の補語や副詞の成分などが介在する場合
3:連体修飾節が複文構造を持ち、その中の従属節にあたる節の主語を提示する場合
対象を表すヲとガ
感情、感覚の向けられる対象を「ガ」で示す
目に映る現象をそのまま述べる場合には、「ガ」が用いられる
動作の対象から述語までが長い文においては「ヲ」を使う
目に映る対象がなくて、効力の維持を表すような場合には「ヲ」ガ用いられる
「たい」をつけて願望を表す、「である」をつけて結果の状態を表すなどの場合は両方でも使用できる
場所を表すニとデとヲ
「ニ」:存在に重点がある、また、移動の着点を表す
「デ」:動作を行う場所や出来事の起こる場所を表す
「ヲ」動作の経路、通過点を表す
起点を表すうとカラ
「カラ」:終点へ向かう移動、連続の起点を表す
「ヲ」:前接する名詞句によって分けられた嶺域の境界通過に着目する
1:着点を表すニ格などの名詞句とともに「ヲ」は使えない
2:当該起点以後の動きや連続が認められる場合「カラ」が用いられる
3:無情物主語の起点は「カラ」で表す
目的地を表すニとヘ
「ニ」は主体や対象の具体的な移動を伴う場合用いられる。対象物がその場所に行き着いた状態であることを表す
「ヘ」は方向性を表す。名詞修飾構造における場合ハ、「ニ」に置き換えることはできない。
材料を表すカラとガ
元になるものが生産物になる過程で質の変化を伴う場合は「カラ」、質の変化を伴わない場合は「デ」が用いられる
「ガラ」のつくりものは、生産の起点、生産物の核になるもので。「デ」のつくりものは生産の途中で加わる副次的なものである
起因を表すニとデとカラ
「デ」は最も一般的なもの
「ニ」は心理状態や自然状態の原因、また、一般的な変化や動作のきっかけとなる継起的起因を表す
「カラ」はほかに理由に近づい用法として判断の根拠を表す

2011年11月4日金曜日

母音

母音は3点によって分類されている。
 1:舌の高さ(舌の盛り上がりが高いか低いか)
 2:舌の前後の位置(舌の最高点が前寄りか後寄りか)
 3:円唇性(唇が円められるかそうではないか)
 舌の盛り上がる高さによって「高母音」「中母音」「低母音」に分類する。
 舌の盛り上がりの最高点が口腔の前寄りになるものを前舌母音、後寄りになるものを、後ろ舌母音、中程になるものを中舌母音と呼ぶ。前舌の最高点は、硬口蓋の辺り、後ろ舌は、軟口蓋の辺りである。
 ア中舌ー広母音 イ前舌ー狭母音 ウ後舌ー狭母音 エ前舌ー半狭母音 オ後舌ー半狭母音
 無声子音に挟まれた狭母音イ、ウが、声帯振動を伴わなくなる。イ段の「キシチヒピ」ウ段ノ「クスツフプ」「シュ」が、カサタハパ」行の前や「ッ」の前にある時、母音無声化する傾向が強い。
 例 かい いか しゅくじつ っくら
 また、狭母音以外、句頭の中母音、広母音でも、無声化は生じることがある。
 例 たい こ かる か かい

2011年11月2日水曜日

語形の日本語らしさと語形のゆれ

日本語らしさに関して、次の項目を挙げることができる。
1:拗音は直音に比べ日本語らしくない
 ミュージック
2:擬音語.擬態語や俗語を除き、語頭に濁音.半濁音が立つと日本語らしくない
 ピアノ
3:語頭にラ行音が立った場合はあまり日本語らしくない
 ロケット
4:語中や語尾のハ行音節は日本語らしくない
 ゴルフ
5:促音や発音は漢語や外来語であるという印象を与え、また卑俗感を伴うことが多い
 コンセンサス

ある語に異なる語形が二つ以上あり、かつ、それらの間に区別すべき合理的な理由が見つからない場合、それを語形のゆれという。
1:1拍を減らした語形によって生じるゆれ
 ほんとうーほんと、けっしてーけして
2:発音の容易化によって生じるゆれ
 つまらないーつまんない、すみませんーすいません
3;特殊拍の挿入によって生じるゆれ
 よほどーよっぽど、すごくーすっごく
4:漢字音にかかわるゆれ
 母音(ボオン、ボイン)、刻々(コクコク、コッコク)
5:外来語に見られるゆれ
 バッグーバック、ティームーチーム
6:そのほか
 さびしいーさみしい、ふんいきーふいんき
語形が違っていることに対応して、意味にも何らかの差があるという心理が働き、意味の上の区別が生じてくる場合がある。このように語形のゆれが積極的に利用されて別々の意味になると、ゆれではなく、別の語ということになる。

語形

語彙は語の集合であり、集合の要素である語は、一定の意味を持ち、文を組み立てる最小の独立した単位であると定義した。語の認定は意味の面からだけでも形の面からだけでもできるものではない。
日本語の拍は極めて単純な構造なので、一拍語は短くて不安定なために聞き逃しやすく、また同音語が多く区別しにくい。これを避けるために一拍語をほかの単語に言い換えたり、あるいは長くさせたりする方法が取られる。
例:身→からだ
  葉→はっぱ
ところで、同じ発音である同音語、発音が似ている類音語はコミュニケーションの混乱を起こるということでよく問題にされる。
語を音韻の連続体としてとらえたものを語形という。語形の長短は語種により偏りがある。和語と漢語、外来語とも第一位が4拍語、第二位が3拍語。漢語は2拍語と3拍語、4拍語で全体の97%を占める。和語は2拍語から5拍語まで約95%を占める。外来語は4拍語が25.7%、3拍語21.7%、5拍語19.4%、6拍語15.1%とたいした開きがなく、ばらつきがみられる。

2011年10月31日月曜日

外国語教授法

外国語教授法には、三つの側面を認めることができる。
 1、  特定の言語観と言語学習観に基づく教授法理論
 2、  ある教授法理論に基づく指導法
 3、  具体的な教室活動の手順や技術
文法翻訳法
文法規則の説明、対訳による単語の理解、翻訳練習などが行われる
文法翻訳法で前提とされている言語観
 1、  文学作品などの文字言語は音声言語よりも優れている
 2、  目標言語のすべての単語には、対応する母語の訳語ある
言語学習観
 1、  翻訳が出来るようになることが外国語学習の成功を表す
 2、  外国語学習は知的訓練に役立つ

直接法
 十九世紀にヨーロッパ諸国では、人々の往来が盛んになった。そのため、文学鑑賞や知的訓練以外紺コミュニケーションなど実用的な成果が外国語教育に求められるようになった。十九世紀後半になって、直接法が提唱された。
ナチュラル.メソッド
ゲアン式教授法
幼児が母語を習得していく過程を詳しく観察し、そこで得た結論を外国語教育に応用した。まず、すべての出来事は、小さい出来事の連鎖として記述できるとし、動詞を重視し、一連の動作を順を追って言い表すことが最も記憶に残りやすいと考えた。幼児が母語を覚えるのと同じように
聞いて理解する→話す→読む→書く
の順で、努めて自然な状況で目標言語と接触させるようにした。

ベルリッツ.メソッド
ベルリッツが母語を教室活動から徹底的に排除した。母語による文法説明は行わず、教師は絵や身振りを駆使して、文や語の意味を理解させようとした。また、発音も、教師のモデルを真似させるだけで、発音の仕方の説明や矯正などの指導が行われなかった。
フォネティック.メソッド
音声言語が一義的なものであり、文字言語は二次的なもの、いわば、付随的なものであるという音声重視の立場である。ゲアン式教授法ヤベルリッツ.メソッドに対して、音声記号を用いた系統的な音声指導を目指した点が特徴として挙げられる。
オーラル.メソッド
二十世紀に入り、パーマーが提唱した。外国語習得に幼児の母語習得を再現するために
1耳による観察2口まね 3口ならし 4意味付け 5類推による 6作文
を見出した。そして、この習性を養成するため七つの方法を提唱した。
1音を聞き分ける練習 2発音練習 3反復練習 4再生練習 5置換練習 6命令練習 7定型会話

直接法とは、翻訳を介さない理解を最終目標とする教授法の総称であり、媒介語を使わずに「直接」目標言語で教えるという意味ではない。