外国語教授法には、三つの側面を認めることができる。
1、 特定の言語観と言語学習観に基づく教授法理論
2、 ある教授法理論に基づく指導法
3、 具体的な教室活動の手順や技術
文法翻訳法
文法規則の説明、対訳による単語の理解、翻訳練習などが行われる
文法翻訳法で前提とされている言語観
1、 文学作品などの文字言語は音声言語よりも優れている
2、 目標言語のすべての単語には、対応する母語の訳語ある
言語学習観
1、 翻訳が出来るようになることが外国語学習の成功を表す
2、 外国語学習は知的訓練に役立つ
直接法
十九世紀にヨーロッパ諸国では、人々の往来が盛んになった。そのため、文学鑑賞や知的訓練以外紺コミュニケーションなど実用的な成果が外国語教育に求められるようになった。十九世紀後半になって、直接法が提唱された。
ナチュラル.メソッド
ゲアン式教授法
幼児が母語を習得していく過程を詳しく観察し、そこで得た結論を外国語教育に応用した。まず、すべての出来事は、小さい出来事の連鎖として記述できるとし、動詞を重視し、一連の動作を順を追って言い表すことが最も記憶に残りやすいと考えた。幼児が母語を覚えるのと同じように
聞いて理解する→話す→読む→書く
の順で、努めて自然な状況で目標言語と接触させるようにした。
ベルリッツ.メソッド
ベルリッツが母語を教室活動から徹底的に排除した。母語による文法説明は行わず、教師は絵や身振りを駆使して、文や語の意味を理解させようとした。また、発音も、教師のモデルを真似させるだけで、発音の仕方の説明や矯正などの指導が行われなかった。
フォネティック.メソッド
音声言語が一義的なものであり、文字言語は二次的なもの、いわば、付随的なものであるという音声重視の立場である。ゲアン式教授法ヤベルリッツ.メソッドに対して、音声記号を用いた系統的な音声指導を目指した点が特徴として挙げられる。
オーラル.メソッド
二十世紀に入り、パーマーが提唱した。外国語習得に幼児の母語習得を再現するために
1耳による観察2口まね 3口ならし 4意味付け 5類推による 6作文
を見出した。そして、この習性を養成するため七つの方法を提唱した。
1音を聞き分ける練習 2発音練習 3反復練習 4再生練習 5置換練習 6命令練習 7定型会話
直接法とは、翻訳を介さない理解を最終目標とする教授法の総称であり、媒介語を使わずに「直接」目標言語で教えるという意味ではない。
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