連語とは、二つ以上の語が組み合わせ、一つの語よりも複雑ではあるが一まとまりをなす概念を表すものをいう。「語」の認定とかかわって、大きく異なる二つの捉え方がある。(1)付属語(助詞、助動詞)も語とする立場では、「作文を」「書かせた」「計画について」などが連語となり、(2)自立語のみを語とする立場では、「作文を書く」「会社に勤める」「広い公園」などが連語である。
(1)の立場では、助動詞とほかの語とが結びついて一つの用語のように働く連語を「活用連語」、助詞とほかの連語とが結びついて助詞のような働きをするものを「助詞相当連語」ということがある。「食べさせられたかったらしい」は一つの長い活用連語である。また、助詞相当連語において助詞と結合している語には、もともと独立の語であったものが、文法的な要素になったと考えられるものが多い。なお、国語辞書で、「なにがなんでも」「かもしれない」のように、組み合わせが緊密で要素の意味から全体の意味を推し量りにくい形式を見出し語とするときに、その品詞表示にかえて「連語」と記されることもある。
(2)の立場では、単に複数の自立語から成る形式だけではなく、二つまたは三つ以上の自立語が一つが軸となり、他がそれに従属する関係で組合わさって実現の1断片を名づけているものを「連語」とすることがある。意味的には、軸となる語(「書く」「会う」など)の語彙的な意味を、従属する語(「作文を」「友人に」など)が狭めるという形で結びついている。そしてこのような連語では、連語の要素である語の語彙的な意味と連語の構造としての文法的な意味とが相互に影響を及ぼし合っている。
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