誤用研究は、学習者が犯す誤りについて、どのような誤りが存在するのか、どうして誤りをおかすのか、どのように改正すればいいかなどを考え、日本語教育などに役立てようとする研究である。
誤用に二つの方向から捉えることができる。一つは、文法的な正確さに関わるもので(1)、もう一つは文章、談話としての適切性にかかわるものである(2)。
(1)きのう東京にいきます。
(2)先生に相談したところが、忙しいって言われた。(文法的には誤用とはいえない。しかし、硬い文章であれば、不適切な誤用となる)
第二言語習得研究の立場では、外国語を学習する過程で誤用をするのは当然で、それはそのことばを習得するための一つのステップであると考える。母語の影響に受けて生じる誤用と自然習得順序により、母語に関わらず、普遍的な習得順序が存在するため、ある段階で必ず起こる誤用がある。
誤用は大き6つのタイプに分類できる。
(1)脱落、当該項目を使用しなければならないのに使用していない誤用。
(2)付加、脱落と逆に、使用してはいけないところに使用している誤用。
(3)誤形成、活用.接続のしかたなどの形態的な誤用
(4)混同、ほかの項目との混乱による誤用(自動詞.他動詞、テンス.アスペクトなど)
(5)位置、その項目の文の中での位置がおかしい誤用。
(6)そのほか
誤用研究の目的は二つに分けられる。一つは、第二言語習得理論や日本語文法理論として専門化される、理論的アプローチにむかう方向、二つ目は、日本語教育への貢献、つまり誤用を分析評価し、教材.テスト作成、教授法への応用を考えることである。
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