2012年2月17日金曜日

アスペクト

アスペクトとは、進行中かどうかなど、動きの局面の捉え方に関する表現のグループである。動作の始まる前の段階から結果の存続までどういう位置においているのかに注目する。形態的には、無標のスル形か状態としての捉え方になるシテイル形かの選択がアスペクトの中心的な形である。「また食べていない」のように未完了状態、「結婚している」「死んでいる」のように結果がそのまま残されること、「服を着ている」のように動作の進行を表すこと、アスペクトの具体的な表現として挙げられる。
 金田一(1950)による、シテイルに着目し、動詞は「状態動詞」(「ある」など、テイルがつかない)、「瞬間動詞」(「死ぬ」など、テイル形が結果)、「継続動詞」(「歩く」など、テイル形が進行中)、「第4種類の動詞」(「優れる」など、いつもテイル形)に分類される。
 また、アスペクトに関わる生産的な複合動詞は大別2類に分類される。一つは、時間的な局面だけを表す「しかける」「しはじめる」「しだす」「しつづける」「しおわる」などであり、もう一つは、「しつくす」「しきる」「し通す」などの内容的な完遂を表すものである。「しかける」は動詞の語彙的意味の制限が最も緩やかで、動きの動詞が全般に共起できる。「しはじめる」「しだす」は、動きの始動段階を表す。「しつくる」「しきる」「しとうす」「しおわる」は、内容的に完遂することを表す。「しつづける」は進行過程がある場合にも、変化結果の維持の場合にも使える。

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