2012年2月26日日曜日

発話行為

言葉を使うことによって、じつに多くの活動を行っている。あいさつをしたり、情報を伝えたり、ものを尋ねたり、命令したり、忠告したりさまざまな行為を行っている。このような行為を発話行為と呼ぶ。
 遂行動詞__何らかの発話の効力を明示的に述べる動詞を用いることによって、その発話行為が遂行されることがある。そのような動詞を遂行動詞と呼ぶ。日本語には、「断言する」「抗議する」のような事実陳述型、「命ずる」「頼む」のような行為指導型、「約束する」「誓う」のような行為拘束型、「謝る」「感謝する」のような心理表出型、「宣言する」「命令する」」のような宣告命令型などがある。
 間接発話行為__遂行動詞を使ったり、字義どおりの表現を使う発話行為は直接的なものだが、表現の形式ではなく、発話が果たす機能に注目すると、間接発話行為が提出される。例えば、「ちょっと、その本を見せていただけませんか」のような文は、疑問文だが、通常は「質問」ではなく「依頼」をしていると考えられる。私たちの日常生活には、このような間接発話行為がしばしば見られる。

 慣用化間接発話行為__頻繁に行われる間接発話行為を定式化すると、慣用化間接発話行為になる。「~さんはいらっしゃいますか」は、電話で取り次ぎを「依頼」する表現として、また「~していただけませんか」という表現は、「質問」ではなく、丁寧な「依頼」と一般に捉えられている。

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