2012年3月1日木曜日

形態素

形態素とは、意味を有する最小の言語単位をいう。「足跡(あしあと」の「足(あし)」と「跡(あと)」はいずれも意味を持っている。さらに「あ」「し」「あ」「と」に分けると、意味を持たない形式になる。それゆえ、「足」と「跡」は形態素であり、「あ」「し」「あ」「と」は形態素ではない。また、「本棚(ほんだな)」は「ほん」と「だな」二つの形態素から成るものである。「だな」は「棚(たな)」と「ほん」と結合して音形が変化したもので、語彙的な意味は変わらないので、「たな」と同じ形態素と考えられる。
 単独であるいは二つ以上の形態素を結合した語もあれば、単独で語となれない形態素もある。(1)付属語(助詞.助動詞)、(2)接辞(接頭辞.接尾辞)、(3)造語成分としての字音語(「医者」「校医」の「医」)(4)実質的な意味を持っていて接辞といいにくいが造語成分ともやや違うもの「積極.民主など」
 外来語の形態素には、日本語で独特な意味を持たせるもの(「マイカー」)と原語の一部が日本語で形態素となるもの(「バイト代」)がある。
 原則として形態素が意味を持つ言語単位であるが、複合語や慣用句には意味が明瞭でない要素(「すき焼き」「めくじらを立てる」)もある。これらは「無意味形態素」と呼ぶ。複合語や慣用語が要素の組み合わせ全体で意味を表すので、中の要素の意味が希薄であってもかまわない。

0 件のコメント:

コメントを投稿