ある語が文中で用いられるときに、共に用いられる他の語や句などの要素との関係を共起関係という。語の共起関係をみれば語の用法が捉えることがある。共起関係には次のような場合がある。
(1)どんな格と共起するか:動詞や形容詞が述語になると、ある一定の名詞の格を要求するが、どんな格とともに用いられるかによって用法が異なる。「葉に絵を描く」「葉を抽象的に描く」が表す意味が異なる。「経済状況が厳しい」「学生に厳しい」に「厳しい」の意味も一致ではない。
(2)どんな種類の語と共起するか:「丸い顔」と「明るい顔」、前者は形を形容する
修飾語で後者はる気分を形容修飾語であり、異なる意味を表す。「しっかりつける」のように対象の変化を引き起こすことを表す類の動詞と共起した場合と「しっかり見る」のように対象とのかかわりを表す類の動詞と共起する場合では意味も異なる。
(3)どんな表現形式と共起するか:「もちろんお金が大切だが、自由的な時間がほしい」のように譲歩形と共起する場合もあれば、「お金がほしいのはもとろんだが、時間の自由な仕事がいい」のように譲歩節と共起する場合もある。
(4)そのほか:「全然」は「全然面白くない」など否定の形式と共起するほか、「全然ちがう」など否定的な意味を表す一部の語と共起する。また、話し言葉で「全然平気」などプラス評価の述語とも共起することがある。
出典:「日本語教育事典ー3F語の用法」
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