2011年10月28日金曜日

プロミネンス、リズム、ポーズ

プロミネンスとは、一部のアクセント節を高くしたり、高低の幅を大きくしたり、速くしたり、遅くしたり、強くしたりすることである。イントネーションの文全体の音の高さをさすという機能と違い、プロミネンスは文の情報の焦点(フォーカス)に注目し、その一部分で高く際立たせて言い、それ以後を低く抑えて言うことになる。
今夜 タクシーで 海辺の ホテルへ 行きます。
 (昨日ではなく、明日でもない、時間は今夜)
今夜 タクシーで 海辺の ホテルへ 行きます。
 (新幹線ではなく、マイカーではなく、タクシーである)
今夜 タクシーで 海辺 ホテルへ 行きます。
 (山ではなく、森ではなく、海に行くことである)

 リズムは、何かが規則的に反復することによって生ずる感覚のもたらす現象である。日本語のリズムがモーラの等時性によるのではなく、長短の配置特徴とビートという概念の組み合わせである。
 教育に応用する方式はモーラよりも大きい単位を設定して、リズム現象を捉える。
 一は、俳句や短歌などの音文では、2つのモーラを一つにしたフットという単位で発話されるが、これによってリズムが形成されると考えるものである。
 二は、リズムの形成には2モーラ分の長さと1モーラ分の長さを持つ2種類の単位があり、この2つの単位の長短の組み合わせでリズムを捉えようとするものである。
 2モーラ分の単位は{(C)VN,(C)VQ,(C)V(C)V}(C:子音、V:母音、N:撥音、Q:促音)
 1モーラ分の単位は{(C)V}である。 (C)は、子音があってもなくてもよいことを表す。
 例:1 食べ/られ/ます  (長長長で3ビート)
   2 とっ/て/おい/て  (長短長短で4ビート)

 ポーズとは、発話中の無音区間をいう。(促音や破裂音などの調音に伴う場合を除く)「あの」「エーと」などの間投詞もポーズの一種である。
 ポーズには3種類がある。 
 1、息継ぎのためのポーズ。発話が呼気を利用して行われる以上不可避である。
 2、文法的切れ目と関係した構文的ポーズである。息止めの場合が多い。
 3、聞き手の意味理解に配慮した結果としての意味上のポーズである。聞き手は、小さなポーズで文と文とが意味的に続いていることを、大きなポーズで段落の区切れを知る。

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